貨物が液状化して沈む貨物船の謎
タレコミ by taraiok
taraiok 曰く、
鉱石などを包装されない状態で輸送する「バラ積み貨物船」。こうした貨物船がここ10年間で平均10隻ほどのペースで失われているという。粉砕された鉱石やミネラルサンドのような粒状の貨物が、突然液化したのが原因だとされる。2015年には、56,000トンのバラ積み貨物船「Bulk Jupiter」がベトナムの南西300km付近で沈み、19人の乗組員のうち生還者は1名のみという事件があった(The Conversation、slashdot)。
貨物の液状化は、地震による地盤液状化と原理は同じだという。航海中のエンジンや海からの振動が貨物の液化をもたらしている可能性があるようだ。貨物が液化して船の一方に偏り、そのまま固体に戻ってしまうと、船は恒久的に傾きバランスを回復できなり、結果として船が沈むことになるという。
国際海事機関は、液状化を防止するためバラ積み貨物にどのくらいの水分が許容されるかを規定している。しかし、ガイドラインは大ざっぱで現実に即していないようだ。ボーキサイトなどの新素材に物質的な挙動が十分に理解されていない貨物が運ばれた結果、事故が発生しているという。対策としては、物質的挙動をよりよく理解するための調査を行い、液状化時の対策などを含む適切なガイドラインを用意することだとしている。
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