中世欧州を襲ったペストの大流行、ネズミ=ノミではなくヒト=ノミ・シラミか
タレコミ by Anonymous Coward
あるAnonymous Coward 曰く、
中世の欧州やアジアで大流行し、多くの人々の命を奪ったペスト。その原因であるペスト菌は、ネズミによって拡散されたと長い間信じられてきた。しかし、最新の研究によると欧州の人口の3分の1が死亡した「黒死病」と呼ばれる14世紀のペストの大流行などでは、主にヒトに寄生するノミとシラミが細菌を媒介していたと示唆されている。
ペスト菌を媒介するのはノミだ。19世紀後半から現在まで続いているこの流行では、ネズミやその他の齧歯類が菌を拡散させていることが知られている。ネズミがペスト菌に感染すると、そのネズミの血を吸ったノミに細菌が移る。感染したネズミが死ぬと、宿主を失ったノミは次に人間を襲うというわけだ。
数理的には、ネズミ=ノミとヒト=ノミ・シラミの場合では病気の広がり方が異なるため、研究チームはそれぞれにおける感染拡大のモデルを作成した。世の流行中に欧州で発生した9回のアウトブレイクによる死亡パターンに一致するのはどのモデルであるかを、統計的に評価した。すると意外なことに、調査対象になった9カ所の都市のうち7カ所で、ネズミ=ノミよりもヒト=ノミ・シラミの方が死亡の記録と一致したという(National Geographic、BBC、Slashdot)。
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