Haikuプロジェクト、SCaLE 6x出展で話題よぶ 31
認知度++ 部門より
kokito 曰く、
BeOSが開発終了となった直後に発足し、BeOSの技術やコンセプトを適用したオープンソースOSを目標とするHaikuプロジェクトが、先週末ロサンゼルスで開催されたSouthern California Linux Expo (SCaLE 6x)に出展し、話題を呼びました。
Haikuチームは、開発途上であるHaikuを展示ブースで展示し、また、Haikuのコアエンジニアの1人で、OpenBFSファイルシステムの作者でもあるBruno G. Albuquerque氏がスピーカーとしてカンファレンスで講演しました。これについて、Ars Technicaのジャーナリストがレビュー記事“First look: Haiku poetically resurrects BeOS”を公開したところ、Slashdot本家(Haiku OS Resurrects BeOS as Open Source)やEngadget(Haiku brings back those BeOS glory days)、Wired(Haiku Project Brings Back the Poetry of BeOS)などでも次々と取り上げられました。このほか、SCaLEでの写真やAlbuquerque氏へのインタビュー(mp3形式、ogg形式もあり)も公開されています。
(つづく...)
Haikuはまだ開発途上ですが、あと数ヶ月で初アルファ版がリリースされると関係者から報告されています。BeOS後継とされていたZETAが2007年に開発終了した後、BeOS系OSとして唯一残っているのが当プロジェクトであり、初リリースが現実に近づくにつれて、BeOSファンからは期待が高まってきています。WebKitの移植プロジェクトも順調に進み、さらに最近OpenJDKをHaikuに移植するチームも発足されたことから、Haikuを取り巻く開発には活気がついていることが伺えます。この1月には、BeOSコミュニティを集めるBeGeistertというイベントがドイツで行われましたが、参加者のほとんどがHaikuの開発者で、当イベントからの情報によると、Haikuのコアエンジニアの3人がドイツのMindwork社という会社に雇われ、Haikuを使った製品の開発に取り組んでいるとのことです。
リリースまで待てない方は、haiku-files.orgからnightly buildのVMwareイメージをダウンロードして、気軽に試すことができます。ダウンロードサイズはわずか30MB程度です。
Haikuについて (スコア:5, 興味深い)
ええと、HaikuはBeOSの単純なクローンではない。BeOSの仕組みやコンセプトと理念、それからエンドユーザから見た感触そのまま残しながらも、中身が違う。Haiku 1.0でBeOS 5.0互換を目指すといっても、BeOSと同じ欠陥を持ったシステムを作っているという意味ではない。:)
Haikuを作っている人たちがBeOSを使いBeOSで開発していた人たちなので、その欠点を(痛いほど)よく知っている。だからこそ、BeOSが持っていた欠点を繰り返さない認識が高く、それらを改良しながらHaikuを開発しています。
Pre-alphaで開発途中でありながら、HaikuすでにBeOSと比べて進化している部分はたくさんある。ハードサポートはBeOSよりすでに上。APIもBeOSと比べて拡張されています。そういう意味で、HaikuはBeOSの単純なクローンというよりも、BeOSの大きく影響された新しいOSだと考えた方が正確です。
Haikuはまだ開発中で、エンドユーザにアピールできる段階ではないので、その良さを実感するのは難しいし、言葉で説明しても、中々ピンとこない。実際には、我々は現在ターゲットにしているのはエンドユーザでははくて、Haikuに魅力を感じてその将来的な可能性を見抜いていたあだける開発者、ホビープログラマ、テスターなどです(すみません、この日本語が変かもしれないけど、意味がわかってくれると思います)。エンドユーザにアピールできるのはまだ先の話です。
私たちはHaikuが(desktop, laptop, UMPC, tabletなどの)パーソナルコンピューティングのスペースにおいて、将来的な可能性を潜めていると信じてこのプロジェクトを続けています。だから、長いスパンで考えています。テクノロジーというのは予測できない部分が大きい。Linuxが初リリースされたころ、ここまで来ると思っていた人がどれだけいたのでしょうか?それでもLinuxに魅力を感じた人たちがどんどん集まり、コツコツと開発を進めて、そのうちビジネスのサポートがついて、だれも予測できなかった現在の知名度と普及度に至っている。Haikuはその長い道のりを歩き始めようとしているところでしょうか。
Re:Haikuについて (スコア:1)
がんばってください。
しかし、Javaが動くのかぁ…。
なんか普通(のOS)っぽくなるなぁ。それが凄いんだろうけど…。
マルチコア対応以外に尖ったこだわりみたいなのは無いんですかね?
Re:Haikuについて (スコア:1)
Haiku OS、OpenJDKをHaikuへ移植するチームを発足
http://journal.mycom.co.jp/news/2008/01/08/015/index.html
他のこだわりといえば、そうですね。ファイル属性に完全対応したBFSファイルシステムとか、OSレベルでデータ変換機能を提供するData Translatorsとか、Replicant(desktop widgetみたいなものだけど、軽くてdesktop以外にも使える)、Media Kit などですか。日本語の情報があるかどうかちょっとわかりませんが、Googleすればもうちょっと詳しい説明があるかもしれない。
Re:Haikuについて (スコア:1)
ディレクトリを移動して、上書きすると、
Margeじゃなくて完全に上書き(下のディレクトリの内容消えちゃう)
って所の挙動もそのままで、ああ、Beだなって安心しました。
ウィンドウがどんどん開いていったりとかは、
もはやエクスプローラー式に馴れた今となっては少しの違和感があります。
が、オープンソースならやる気とパワーがあればシェル書き直したっていいわけなので、
そういう部分ではやっと真にコミットしがいのあるHobbyOSになってくれるのではないでしょうか。
Linuxの開発に参加するのはすごくハードル高そうですが、
Haikuだったらまだまだ一緒に発展していけそうな感じがします。(あくまでイメージなのですが)
一切これすなわち空(くう)かもしんなくてイエスキリストもきっと正しい。
Re:Haikuについて (スコア:1)
Haikuのファイルマネージャは、Be Inc.がなくなる前にオープンソース化したTrackerですので、ファイル動作はみんなBeOSと同じ(筈)です。
まぁ、気の向くままHaikuハッキングしてください。何か良い成果があれば、本家にコミットしてみると良い。欲を言うと、日本語表示・入力処理周りが知っている人がいないので、特にためになると思います。;)
Re:Haikuについて おふとぴ:-1 (スコア:1)
◆IZUMI162i6 [mailto]
Haikuに期待しています (スコア:2, 興味深い)
正直、Unixはもう古いと思っています。
村井さんがbitのInfernoの紹介記事の中で書いているように、最初はシンプルで美しかったUnixも段階的な機能拡張の結果、ずいぶんと複雑になってしまいました。同じことを実現するのに、もっとシンプルで美しい実装は可能だということをPlan9やUnixは示しています。
BeOSは最初からSMPを前提にしてC++で書かれました。当時、Open Stepをスレッドセーフに移行させることが話題になっていましたから、先進的なOSだと感じたのを覚えています。その当時はまだx86がどんどん高速になっていたので印象が急速に薄れた印象がありますが、クロックアップが頭打ちになりマルチコア化に活路を見出している今日、最初からSMPを前提にしているOSに注目が集まってもいいと思っています。
Re:Haikuに期待しています (スコア:1)
×Unix→○Infernoです。すみません。
買収 (スコア:1)
なんて思ったら、昨年、グーグル本社で話してるんだ。。
http://srad.jp/developers/article.pl?sid=07/02/16/2338206 [srad.jp]
ってことは、グーグルは興味なしか。グーグルの目指すOSとは違うということかな。
--- Dead Poet Social Club
いまさら感 (スコア:1, 興味深い)
Re: (スコア:0)
WindowsやMacOS、あるいはLinuxや*BSDは、それぞれが継続して開発を続けていて、それなりの成果が出てるけど、その間まったくと言っていいほど止まっていたOS2だのBeOSだのって、本当に今更感が強いね。
継続は力なり、って身にしみる。
Re:いまさら感 (スコア:1, 興味深い)
でも他のOSがBeOSの幾つかの技術的メリットまで飲み込んでるわけでも(まだ)ないので、
Beの有用性がゼロになったとまでは言い切れないんだよね。
例えばリアルタイム性との両立。
例えばプロセスの保存の仕組み。
そういった仕組みはUnix系やWinやMacでも手をつけてない領域だから。
少なくともUnixは(MacはともかくBSDやLinuxは)そういう方向にはあまり積極的じゃないだろうから、今後何年しても飲み込まないんじゃないかなあ。
Re:いまさら感 (スコア:1)
>例えばプロセスの保存の仕組み。
これに関して解説してある日本の記事ってありますか?
詳しく知りたいところなのですが。
一切これすなわち空(くう)かもしんなくてイエスキリストもきっと正しい。
スタープラチナ・ザ・ワールド!! (スコア:1)
そして時は動き出す
#言ってみたかっただけ
屍体メモ [windy.cx]
Re: (スコア:0)
はともかくとして、*NIXはおいといてWindowsやMacには商用ソフトも溢れてるし、cygwin(はちょっと厳しいかもしれない)やOSXが*NIXユーザーでもなんとかなるのはPOSIX互換で、Xも実装されている。アーキテクチャやカーネルベースは違っていてもポータビリティが確保されているから、比較的ライトな層でもなんとかビルドして動かせたし、パッケージ群も構築できている。だから使えると思うんだ。
以前はBeのファンだった。見た目と動作の速さにはめちゃめちゃ
Re: (スコア:0)
既存システムの開発手法でアプリを持ち込めなかったというのが痛かった、と?
MacOSX みたいにX11アプリみたいなのを用意してるだけで
ちょっとはマシだったのかね?
でも、OpenJDKが移植されるだけで状況はだいぶ変わるかな。
少なくともV2Cで2chには困らなくなる、とか。・・・・
Re: (スコア:0)
ちょっと期待してる。
WinもMacもLinuxも今はサーバ・デスクトップ兼用OSだから。
OSの機能として足りない部分は少ない (スコア:1)
実装するんだろうか。
BeOSの欠点も含めて再現するのか、始めから改良していくのかの議論は昔あった気がするけど、どう決着したんだっけ。
妖精哲学の三信
「だらしねぇ」という戒めの心、「歪みねぇ」という賛美の心、「仕方ない」という許容の心
Re: (スコア:0)
逆に考えるんだ。
別の人もいってる「デスクトップ第一」というテーマを
ホントに真剣に考えるならば、
マルチユーザ(複数ユーザ「同時」ログイン)機能は、
むしろ邪魔じゃね?
「リアルタイム性との両立」は、
複数ユーザの同時使用とは
(高いレベルでは)たぶん両立させようがない。
だって複数のユーザが同時にリアルタイムタスクを所望したらアウトでしょ?
もともとUnix的なマルチユーザはタイムスライスな発想なんだから、
時間保証路線とは相性が悪い。
同時ログインじゃないならまだいいんだけど。
あと同様の理由で、
リモートアクセス機能も
あまり充実させると
リアルタイムと相性が悪い。
デス
Re:OSの機能として足りない部分は少ない (スコア:2, すばらしい洞察)
OSから見て,下記に差はないと思うのですが.
- 単一ユーザが,リアルタイム性の高い複数のタスクを所望した
- 複数ユーザが,各自,リアルタイム性の高いタスクを所望した
リアルタイムタスクはシステムに高々1個である,なんて妙な制限があるOSなのですか? BeやHaikuって?
from もなか
Re:OSの機能として足りない部分は少ない (スコア:1)
あげく携帯電話もLinuxが侵食し始めてきてると言う…。
ハードは高性能化したのに真のダイナブックは出てくる気配さえありませんね。
Re:OSの機能として足りない部分は少ない (スコア:1)
なんて議論も昔あったなぁ。懐かしい。
これもどう決着したのか覚えてない(なんも覚えてないな、俺)。
適当に検索したらGoogleの一番上に
http://ci.nii.ac.jp/naid/110002935744/ [nii.ac.jp]
が出てきた。
寿さんくぁ。
情報処理学会誌なら手に入るので今度読んでみよう。
妖精哲学の三信
「だらしねぇ」という戒めの心、「歪みねぇ」という賛美の心、「仕方ない」という許容の心
思い出すための参考資料 (スコア:2, 参考になる)
私も,忘却が激しいので,一歩下がってBeOSの全体概要を思い出すのに適切と思われるページ [stprec.co.jp]を掘り出してみました.
(マイクロカーネル部がRTOSたり得るのかどうかまでは言及されていません.)
#書籍だった時期に購入した記憶があるID.
from もなか
Re:OSの機能として足りない部分は少ない (スコア:1)
管理者ユーザと一般ユーザが分離されてないモデルを今更?
Re: (スコア:0)
あなたGUIなOSを使用している時、
ひとつのプロセスしか使わない?ホントに?
久しくとだえてたBeOS関連ニュースをありがとう。 (スコア:1)
R4買ったおいらとしては
Haikuに期待だ!
Zetaにも期待していたのにああいう形で残念だった…。
一切これすなわち空(くう)かもしんなくてイエスキリストもきっと正しい。
Re:久しくとだえてたBeOS関連ニュースをありがとう。 (スコア:1)
>Haikuに期待だ!
ちょっと古いですが、Youtubeに講演会の様子がアップロードされてましたね。60分の超大作(投稿者がgoogleの奴)。内容は半分くらいしかわかりませんでしたけど。
>Zetaにも期待していたのにああいう形で残念だった…。
難しいだろうことは最初からわかっていましたが、ちょっとあの終わり方はねぇ…
何というコメントの少なさ! (スコア:0)
オタクどもに喰い潰されたOS (スコア:0)
昔も(今も?)コンセプトは悪くなかったんだけど、目指す方向性が散漫になりがちだったし
技術的にも過大評価されていた部分があったと思う。
BeOS関係のイベントを見たことがあるけど、あの人たちではビジネスにならないなとは
当時も強く感じた。だから生きのこれなかったんだろう。
Re: (スコア:0)
生き残れなかったのは権利者側が実質放棄していたから。OSのメンテナンスも長らく止まっていたし。
ビジネスをしようとする人が集まらなかったのは、前段階で成功していなくて、且つ生態系が弱かったから。
結局技術的に興味を覚えた人たちばかりが残ってしまって、それも他のOSと比べると少数派であった。
んで、そういった人達がイベントを引き続き開催していた。
目指す方向は散漫になっていないよ。
散漫だったのは開発元の方針とOSのメンテナンスを引き継いだ側の展開方針。
Re:オタクどもに喰い潰されたOS (スコア:1)
生き残る以前に、BeOS自体はBe社が死亡した時点で死んでます。元々オープンじゃなかったので、メンテナンスの仕方も含めて時間がかかったのは仕方ないでしょう。Zetaもありましたが、OS単体では商売にするのが難しいというのがはっきりしただけでしたね。
>ビジネスをしようとする人が集まらなかったのは、前段階で成功していなくて、且つ生態系が弱かったから。
どうしてもこの部分になっちゃいますよね。ビジネスベースでやるのはかなり難しいだろうと。ただ、ハードウェアやソフトウェアのサポートなど、ビジネスとして動かないとやりづらい部分もあったので何とも。
>結局技術的に興味を覚えた人たちばかりが残ってしまって、それも他のOSと比べると少数派であった。
そもそもOSをインストールするハードウェア選定からして困難だったので、技術的に強く興味を覚えない人はトライすることすらかなわなかったような。特に2000年以降、ハードウェア構成が次々に刷新されてその流れについていけてませんでしたね。今はハードウェアの進化が少し止まっていますけども。
>散漫だったのは開発元の方針とOSのメンテナンスを引き継いだ側の展開方針。
大元が死亡して残党がゲリラみたいにやってたので当然のような…っていうかよくここまで持ちこたえて進めているもんだと。いや、結局残ったのが一から作り直しを選択した部隊ですし、もうその辺は大丈夫なんじゃないでしょうか。