一般社団法人情報処理学会、コンピュータ将棋プロジェクトの終了を宣言 76
ストーリー by hylom
ある意味勝利宣言 部門より
ある意味勝利宣言 部門より
あるAnonymous Coward 曰く、
情報処理学会が、コンピュータ将棋プロジェクトの終了宣言を出している(NHK)。
同プロジェクトは創立50周年(2010年)を記念したものだったが、すでにコンピュータ将棋の実力は2015年の時点でトッププロ棋士に追い付いているという分析結果があるとのことで、プロジェクトの目的を達成できたとして終了を宣言したという。また、情報処理学会誌2015年11月号にこの宣言に関する記事が掲載されるとのこと。
コンピュータとプロ棋士は対等の条件では戦えない (スコア:2)
無用な勝負を続けない決断をしたことは妥当でしょう。
Re:コンピュータとプロ棋士は対等の条件では戦えない (スコア:1)
仰るとおり、人間・コンピュータ間には、厳密には「対等な条件」
というものは無いんでしょう。
同様の問題はチェスにもあるはずですが、
あちらは、ともかくコンピュータも人間もそれぞれが全力を尽くして結果を出したのです。
一戦ごとにコンピュータプログラムが最適化されたという、えげつない話もあるのですが。
しかし、それでも結果を出したことが歓迎されていることを考えると、
「対等な条件」にこだわる態度は、単に、戦わない言い訳を探しているだけにしか、
見えないのです。
そもそも、「対等な条件」なるものを追い求めると、結果の平等になってしまいます。
たとえば、人間同士でも、両親のおかげで将棋の英才教育と受けた棋士と、
独力で奨励会入りしたプロ棋士を比較するのは不公平だ、
とか理屈をこねることは可能なのですから。
Re:コンピュータとプロ棋士は対等の条件では戦えない (スコア:2)
「対等な条件」は結果の平等など求めていません。
Re:コンピュータとプロ棋士は対等の条件では戦えない (スコア:1)
コンピュータが疲れないのは卑怯だ とか、
クラスタは卑怯だ とか、
そういった話を聞いていると、
コンピュータのコンピュータらしさをスポイルさせて人間並みにしろ
という話にしか聞こえないんですよね。
Re:コンピュータとプロ棋士は対等の条件では戦えない (スコア:2)
プロなのに汚い手を使うとか言われるんですよ。
Re:コンピュータとプロ棋士は対等の条件では戦えない (スコア:1)
いわゆる嵌め手ならばコンピュータ側が改良すれば済む話だと思います。
電王戦では嵌め手が見つかっても修正できなかったのが問題ではないかと。
Re:コンピュータとプロ棋士は対等の条件では戦えない (スコア:2)
終盤を除いて手の全探索はできないから、評価値によって枝刈をして手を決めるわけです。
棋士が勝つためには、コンピュータが評価しなかった手をさすしかないわけですが、
それは将棋ファンが望むような将棋にはならないことが多いということです。
Re:コンピュータとプロ棋士は対等の条件では戦えない (スコア:1)
乾坤一擲の奇策(将棋ファンが望まない戦い方)を弄さねば勝てない状況って、
すでに負けているような気がします。
真珠湾攻撃を行った当時の日本のようなものですよね。
Re:コンピュータとプロ棋士は対等の条件では戦えない (スコア:2)
「奇襲攻撃」。
不幸にして宣戦布告の通告が遅れてしまいましたが。
対コンピュータ戦で一番確実なのは、バグやロジック不良を突くことですから
それは奇策でもなんでもない。
敵の弱いところを突くのは勝負の常道です。
Re:コンピュータとプロ棋士は対等の条件では戦えない (スコア:1)
王道で隙無く攻めてくる相手には、奇策(奇襲でも意味は通じます)は、なかなか通用しないものです。
今川義元も警戒を怠らなければ、桶狭間で討ち死にすることもなかったわけです。
将棋の話で言うと、バグやロジック不良は地道に塞いでいけばいつかは無くなります。
そうなると結局ガチンコ勝負するしかなくなります。
Re: (スコア:0)
同一エネルギー縛りを入れればいいんじゃないかな?
人体は200Wぐらいらしいのでそれぐらい、あるいは脳がフル回転してる時はもっと使ってるかな、まぁそこらへん基準で。
遠隔地にあるスパコンクラスタを使用して対局とか、そういう時代はもう終わりだと思うからねぇ。
それに、縛りが無いと技術は進歩しないし。
Re:コンピュータとプロ棋士は対等の条件では戦えない (スコア:2)
なるほど。人力発電稼働縛りとか入れるわけですね。
鳥人間コンテストみたいな熱いドラマが生まれたりするわけですね。
それなら見たい。すげー見たい。むしろやって。
Re:コンピュータとプロ棋士は対等の条件では戦えない (スコア:1)
計算しないパターンマッチングが増えるだけのような
Re:コンピュータとプロ棋士は対等の条件では戦えない (スコア:1)
それに、縛りが無いと技術は進歩しないし。</p></quote>
コンピュータ将棋の対人戦でスーパーコンピュータのクラスタを使用したことは私の知る限り一度もないように思うのですが。
大規模クラスタを利用したのも第2回電王戦のGPS将棋くらいです。
第3回からは主催者側が用意したハイエンドPCの利用が強制されていますし、そのスペックも今年からはメモリ64GBから32GBに減らされたとか。
せっかくだから (スコア:2)
全解析までやりましょうよ。 #無理
もしくは、勝率を9割まで高めて、「対戦して勝った人には賞金」というキャンペーンを張るとか?
妥当な結末 (スコア:2, 興味深い)
消化不良な幕引きに不満な方が多いようですが、個人的には妥当な結末だと思います。
根拠はコンピュータ将棋に関する論文の成果の乏しさ。
CiNiiで「コンピュータ将棋」の検索結果から見る研究の歩み
http://d.hatena.ne.jp/ksritsh/20140328/1396027586 [hatena.ne.jp]
コンピュータ将棋に関して、論文に値するような学術的な成果はほとんどみられません。
これは、最近のコンピュータ将棋の進歩は、ほとんどが計算機の処理能力の向上、
あとは現場レベルのエンジニアリングの成熟によって達成されたことを示唆しています。
つまり、コンピュータサイエンスの進歩であるというのは疑わしいのです。
単に計算機が速くなったから強くなったという事実には、大声で喧伝する価値はないと思います。
情報処理学会のなんとも消化不良な幕引きは、学問的にほとんど成果がないまま人間より強くなってしまった、
という事実を反映しており、不思議はないと思います。
また、このような前提に立てば、コンピュータ将棋の一連の挑戦がショービジネスとして企画されたことは分相応だと思います。
冷淡に言えば、ショービジネス的な価値を超えるものはないということです。
Re: (スコア:0)
ご紹介いただいたページと学会の沿革コンピュータ将棋プロジェクト [ipsj.or.jp]をみると,「研究」としての成果はプロジェクトが始まるころには一段落ついていた印象を受けます。
棋士 対 コンピュータ の裏で,研究者 対 開発者があり,前者が負けたということでしょうか。
女流王将に勝利した対局から5年目の節目 (スコア:1)
あから2010が女流王将に勝利してからちょうど5周年、というタイミングですね。
当時の記事
http://srad.jp/story/10/10/12/0114247/ [srad.jp]
Re:女流王将に勝利した対局から5年目の節目 (スコア:2, 興味深い)
まぁ、なんつーか、アレだ。
故・米永氏が徹底してエンタメに誘導したおかげで、どっちが勝っても(負けても)誰も傷つかずに済む見世物ショーのスタイルに帰着した感じですな。
ドラマは生んでも誰も痛くも痒くもないというプロレス的なアレなのも、まさにショー。
そういう意味では勝っても負けてもプロには美味しいわけで、叡王戦などの形で新棋戦となったのはプロにとっては願ったり叶ったりだろう。
羽生・渡辺を引きずり出せないまま撤退の選択をしたのは、コンピュータ側には大きな禍根を残すと思う。(直接対決をすれば恐らくコンピュータが勝つだろうが、やはりそれを実証として残すかどうかは大きい)
羽生・渡辺の敗北を見せずに、コンピュータと人間とは対等に勝負などできないという認識を広く一般に認知させることにも成功したのも偉業だ。
ここまで見越していたのかどうかはわからないが、やはり、プロビジネスとしての将棋界を死守した米永は偉い。
プロ将棋との対決の流れの中で、情報処理学会の側が得たものは何だったのだろうか?
Re:女流王将に勝利した対局から5年目の節目 (スコア:1)
素晴らしい洞察。
要はコンピュータの計算力とアルゴリズムの進歩が十分人間を
上回ったことが世間一般に知れ渡ればいいので、意外と良いプロモーションかも。
カスパロフのかっこよさばかりに気をとられていた老害の自分には
晴天の霹靂だよ。
Re:女流王将に勝利した対局から5年目の節目 (スコア:1)
とりあえず、将棋が皆から飽きられるという最悪のシナリオは回避されたようなので、
将棋業界としては「良かった」といえるのではないでしょうか。
Re: (スコア:0)
渡辺さんはやって勝ってますけどね。Bonanzaと。
http://blog.goo.ne.jp/kishi-akira/e/44150b5b5d9e8d6d04a84292a13ce277 [goo.ne.jp]
電王戦より前ですけど。
Re: (スコア:0)
> 羽生・渡辺を引きずり出せないまま
手札を守るために勝負に負けて手札の切りどころも失ったと見たほうがよいだろう。
自分には「無制限では勝てる自信が欠片もねぇんだなコイツラ」としか思えなかった。
チェスでは敗北という儀式を得て「人間の競技」になったが、将棋はこれで負け時を逃した。
素直に試合相手をエスカレーションさせていけば現在は真剣勝負で人間が勝てると思われたかもしれないが、
レギュレーションだの事前研究による局所最適化だので相手のダウングレードを要求し続けたってのが最悪。
下手すりゃ今後最強連中がコンピュータに圧勝しても誤魔化して勝ったと見
Re: (スコア:0)
お前がそう思うならそうですね。
Re:女流王将に勝利した対局から5年目の節目 (スコア:1)
なんかもういろいろと擲ってきちゃって引っ込みがつかない人なんでしょう。
プロモーション力の限界 (スコア:1)
もう語りつくされているけど、カスパロフがコンピュータチェスの開発にも協力的で
その後、あのかっこいいお手上げポーズを見せたのと比べると、なんとも日本的な
プロモーション力不足な終わり方でしたね。
まあ昨今、コンピュータが完全情報ゲームに勝つってのは広い意味での探索力勝負だと
理系の大学2年生程度ならすぐわかる話だから、20年前とは感じ方も違うので、
これはこれでもいいのかも。
Re: (スコア:0)
>もう語りつくされているけど、カスパロフがコンピュータチェスの開発にも協力的で
>その後、あのかっこいいお手上げポーズを見せたのと比べると、なんとも日本的な
>プロモーション力不足な終わり方でしたね。
チェスみたいに高額な賞金で釣ることも出来なかったしね。
羽生はケラケラ笑いながらこう答えた (スコア:1)
1994年の対戦では、6局連続引き分けた後、体調を崩しての不戦敗。本人は翌年死亡した。
2007年にはプレイヤー双方が最善を尽くした場合必ず引き分けになる事が証明された。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%81%E3%82%A7%E3%83%83%E3%82%AB%E3%83%BC [wikipedia.org]
http://dic.nicovideo.jp/a/%E3%83%9E%E3%83%AA%E3%82%AA%E3%83%B3%E3%83%B... [nicovideo.jp]
残るは完全解析ですね。
しかし羽生の頭脳は上記のようなボンクラなコメントを超えていたのでした。
大量の過去のデータベースで学習した成果が役に立たなくなる。恐ろしい人だ。
(実際、駒落ち将棋にするだけで駒落ち分以上に弱くなるらしいです。私はそれにも負けるのですが。)
学会としてこれでいいの? (スコア:0)
あから以後5年近くプロジェクトとしてはなんの成果もださず、
周りの人の成果が出たところで目標を達したと終了宣言、
さすがに研究プロジェクトとして悪質すぎませんかねぇ
http://www.ipsj.or.jp/50anv/shogi/index2.html [ipsj.or.jp]
それに、情報処理学会として「人間に勝つこと」が目的だったの?
学術的な研究目的があり、手段として将棋ソフトというフィールドを選んだはず
学会としてこれでいいのかなぁ
Re: (スコア:0)
#2898728 にも書いてるけど「あから」って?
Re:学会としてこれでいいの? (スコア:2)
阿伽羅(10の224乗)に由来するそうですよ。「あから2010」でぐぐってみては。
Re: (スコア:0)
#2898728にある当時の記事読めばいいんじゃないの
Re: (スコア:0)
ググれることを人に訊く、知恵袋レベルですな
Re: (スコア:0)
将棋の全手を解析し将棋を完全征服すると云う、対人勝利を遙かに超越する大山脈が残ってはいるが、当面手は出せないだろう。
その前に本将棋の公式戦ルールの不備 [wikipedia.org]を解決する必要があるが、それを公益社団法人日本将棋連盟に期待するのは無理筋である。
Re:学会としてこれでいいの? (スコア:1)
次に、やる意味もない。対人勝利はアピールになるけど、完全解析しました! と言われても意味わからんという人間が大半だと思われます。
ですので、当面どころか永久に誰もやらない可能性が高いでしょう。
順当にいけば、次は囲碁に移るのではないでしょうか。
あるいは将棋で続けるのであれば、全く異なるアプローチからの評価関数の根本的な変革なども面白いかも知れません。
教師なし学習で人間を超えるとかね。
Re:学会としてこれでいいの? (スコア:2)
演算能力は心配していません(今後も飛躍的に伸びるでしょう)が、「やる意味もない」は同感です。
将棋というルールの中に限定された思考を、より一般的に応用させて人工知能につなげることが想定されていましたが、将棋に特化した力業で棋力を高めるようになり、人工知能とは相容れないものとなってしまいました。
自動車が馬の延長ではなく、飛行機が鳥の延長ではなかったように、コンピューター将棋も人間の思考の延長ではなかっただけですが、応用が利かず、研究の隘路にはまったように感じました。
Re:学会としてこれでいいの? (スコア:1)
将棋の次は人狼という方もおられます。
http://cedec.cesa.or.jp/2014/session/AC/13479.html [cesa.or.jp]
http://www.nikkei.com/article/DGXMZO91486770Y5A900C1000000/ [nikkei.com]
Re: (スコア:0)
その結果を出したという周りの人は、当該プロジェクトの成果からなんのヒントも得ずに
独自で0から研究開発して結果を出したのか?
ぶっちゃけ、よくAppleがやってるように、あと少しで勝てそうに見えたから横からやって
成功を掠めとって、革新的に法則を再定義して全て自分の手柄にした感じではないのか
Re: (スコア:0)
プロジェクトなんだから、いつまでもダラダラつ続けるのが良いとも思いません。
成果が出ようが出まいが、一定期間で、一応の総括を行った閉じるのは普通なのではないでしょうか?
これで、この方面の研究が、待ったく絶たれる訳でもなのでしょうから。
今の方法って、勝利といえるの? (スコア:0)
過去に人間がやった対局のデータ使ってしまってもいいの?
Re: (スコア:0)
人間だって過去の棋譜で研究するのに、コンピュータが過去の棋譜を使ってはいけない理由は?
Re: (スコア:0)
コンピュータはデータベースを検索するのに向いてるって当たり前の話しか出てこなくなるからじゃない?
多分だけど、一般人がコンピュータの指す将棋に期待してるのはそういうものじゃないと思うの。
実際に手掛けてる人たちにとってはそういうものなのかもしれないけど。
Re: (スコア:0)
>コンピュータはデータベースを検索するのに向いてるって当たり前の話しか出てこなくなるからじゃない?
ぜんぜん当たり前じゃないと思う。
「この局面はあの時の局面と完全に一致」というのを検索するのはコンピュータの得意技だが、
「この局面はあの時の局面に似ている」という直感みたいなものは人間の得意とする所で、
コンピューターが苦手とするものの一つだから。
棋譜を分析する上で難しいのも、その辺りだと思う。
Re: (スコア:0)
残念だけど今の将棋界も局面全体を評価するんじゃなく、
ぶつかり合う場面をブロック化して評価する方向にシフトしてる。
つまり人間側の思考も最適化・合理化が進んでいってるわけ。
それが機械にフィードバックされていけば機械側の独壇場にしかならない。
Re: (スコア:0)
人間が戦っているのが過去の人間で、本当の機械ではないからかな?
逃げやがったな (スコア:0)
もう少しで人間が勝つところだったのに逃げやがった。
Re: (スコア:0)
それ、今現在負けてるって宣言してるようなもんじゃ・・・
羽生と森内 (スコア:0)
1996年の段階では
コンピュータ将棋が人間(プロ棋士)に追いつくことは永久に不可能であるか
ものすごく限定された条件でのみ成立する可能性があると考えたプロ棋士が殆どであったのに対し、
羽生名人と森内九段は2015年(羽生)と2010年(森内)と評価していた、と聞く。
両者ともに読みばっちりなのが恐ろしい。
他に中原永世名人、内藤九段、谷川九段なども近い将来に来るとしていた模様。
Re: (スコア:0)
自分のやっている事が客観化できてる、もしかしたらシステム化しているかもしれないって事なんでしょうね。
俺、今はこれ人力でやってるけど、自動化できるよなと。
#つーか、自動化したいなあ、誰かやってくれないかなあとか考えてたりして
東大受験をコンピュータでやるんだよな。いつ合格できるよ。 (スコア:0)
2045年にコンピュータが人間を超えるんだろ。
人間の意識とか記憶とかのメカニズムが分かってないのに、本当かよと思ってしまう。
まあ2045年に人間を超えるなら、東大受験は2040年か。
将棋が今年なら囲碁は2020年くらいだな。