Microsoftは4月にBuild 2015でWindowsストアアプリを増やすための方策として、4つの「
Windows Bridge」プロジェクトを発表した。このうち、AndroidアプリからWindowsユニバーサルアプリへの移植を可能にする「Windows Bridge for Android(Project Astoria)」の開発は計画通り進んでいないそうだ(
Re/codeの記事、
The Registerの記事、
Windows Centralの記事、
BetaNewsの記事)。
8月にオープンソースプロジェクトとして
GitHubでプレビュー版が公開された「Windows Bridge for iOS(Project Islandwood)」ではそれなりに開発者によるコーディング作業が必要になる。一方、Project Astoriaは
AndroidアプリのAPKファイルをWindowsストアアプリのAppX形式に変換する必要があるものの、ほぼそのままWindows上で実行可能になるというものだ。
しかし、7月頃にはWindows 10 Mobile Insider Previewにランタイムが搭載され、APKが直接インストール可能になっていたらしい。その結果、Windowsの特長を生かしたアプリやWindowsアプリ開発者の増加にはつながらず、Androidアプリを実行可能にしたBlackBerry 10と同様の自殺行為になるとも指摘されていた。
MicrosoftではAstoriaが提供できる状態に至っていないと述べるだけで、詳しい状況については説明していない。しかし、9月には開発者に対する発表も一切行われなくなり、
10月にはランタイムも削除された。さらに現在は「
Windows Bridge for Android」のページも削除されているようだ。そのため、このままプロジェクトが中断してしまう可能性もある。
その他のプロジェクトは順調に進んでいるとのことで、Microsoftでは
Project Islandwoodの新たな紹介動画も公開している。ある開発者はIslandwoodについて、iOS 6レベルのAPIしかサポートしていない残念な状態にあると
GitHubでコメントしていたが、Microsoftは18日に
ブログを更新し、新たなサポートライブラリの追加やアプリの互換性を分析するWebツールの公開をアナウンスしている。Windows Bridgeの今後はどうなっていくだろうか。