コーヒー豆を挽くときの静電気を抑制することでエスプレッソの味がよくなる可能性 63
ほほう 部門より
コーヒー豆を挽くと摩擦帯電や破砕帯電による静電気で挽豆 (粉) がコーヒーミルに吸着してしまうが、帯電の度合いに影響を与えるコーヒー豆の性質についてオレゴン大学などの研究グループが研究成果を発表している (オレゴン大学のニュースリリース、 Ars Technica の記事、 論文、 動画)。
研究では市販のコーヒー豆と自前で焙煎したコーヒー豆を使用しており、当初は焙煎の色が濃いほど帯電が強くなると思われたが、特に市販の豆で色による予測と異なる結果になるものがあったようだ。結果として帯電に影響を与えるのは豆の水分であり、水分 2% 付近を境として水分が多い方で正の帯電、少ない方で負の帯電がみられたという。このほか、豆の挽き方も帯電に影響を与え、粗く挽けば帯電が弱く、細かく挽けば強くなったとのこと。
豆を挽く前に微量の水を加えて静電気の発生を減らし、コーヒーミルへの挽豆の吸着を防ぐ手法は「Ross Droplet Technique」として知られるが、研究ではこの手法の効果も検証している。実験動画によると、スプレー容器から水を一吹きするだけで豆を挽くときに発生する静電気が水なしの 10 分の 1 に減少している。また、特に豆を細かく挽くエスプレッソの場合は粒子凝集が抑制されて流れが変わるためか、より濃いコーヒーが抽出されるようになったとのことだ。
興味のある読者には自分で水を加える実験を行うことが推奨されるが、コーヒー豆の量と挽き方を変数として含めることが推奨されている。