Emacs Lispあれこれ 38
ストーリー by wakatono
Emacs-Lispマニア必見 部門より
Emacs-Lispマニア必見 部門より
brake-handle曰く、"mew-dist mailing listに流れたmailより。山本和彦さんが、Emacs Lisp特有の問題を中心に取り上げたEmacs Lispあれこれを公開した。Lispに関する文書は数あれど、ほかのLisp処理系と比べてEmacs Lispが異なる点や注意が必要なことを取り立てて書いてあるのは一見に値するであろう。Emacs Lispで遊ぶ際には手元に置いておきたい文書である。"
他のLispとの比較というより (スコア:4, 参考になる)
むしろLispを知らない人向けにEmacs Lispを説明する文書ぽいですね。
数年前に山本和彦さんが話しているのを聞いたんですが、本人はLispが嫌いで、自分はむしろCプログラマなんだとか言ってました。確かにMewなどのコードを見ると、いかにもCプログラマらしい書き方(mapが使えるところでもwhileループを多用するとか、閉じ括弧のインデントがC言語風とか、他多数)が散見されたので、なるほどねと思った覚えがあります。
しかし世の中、Lispを知らない/嫌いな人でも、GNU Emacsは手放せない、なんて人は多そうですから、そんな人のためのEmacs Lisp入門になれば良いんぢゃないでしょうか。
逆に、Lisp好きの立場から言わせてもらえば、Lispを学ぶことをメインに考えている人に、正直山本氏の文書はお勧めしないです。LISP的な考え方で書かれていないのですよね。なので、「リスト遊び」でLISP覚えた [srad.jp]人がいるというのはちょっと複雑な心境。個人的には、そういう人には「はじめての人のためのLISP」 [yfcbookshelf.com]などをお勧めしたいのだけど:-)、 もう売ってないみたいですね……。(;_;)残念。
Re:他のLispとの比較というより (スコア:2, 参考になる)
それにしてもLispに関する和書の入手がだんだんと難しくなっていくのはさみしい限りです.そんな中でPaul Graham [paulgraham.com]のANSI Common-Lisp [paulgraham.com]の邦訳 [pearsoned.co.jp]がついに出版されたようです.まだ中身をみていないのですが,こなれた翻訳だといいですね.
Re:他のLispとの比較というより (スコア:1)
「LISP 原書第3版 (I)」(培風館) [yfcbookshelf.com]ももはや絶版の様です。
かなり良い書籍だそうなのですが (I) が揃わないため、
初心者としては難渋しております。
※「LISP 原書第3版 (II)」 は未だに多くの書店にあるようです
Re:他のLispとの比較というより (スコア:1)
何回違う書店に(ぉぃ)頼んでも「在庫がない」という返事でした。
リスト遊び (スコア:1)
山本和彦著『リスト遊び』ASCII
を読んではじめてLISPというかリストが何なのか少しわかりました。
リストがどういうものか解るとRubyについての理解も深まりました。
とても素晴らしい入門書だと思います。
love && peace && free_software
t-nissie
Re:リスト遊び(現在進行形) (スコア:1)
一気にやってしまうのでなく、のんびりと…。
-- しろやぎ ゆう
マニュアルに書いてあることも。 (スコア:1)
逆に私は Emacs Lisp しか知らないので、へええ普通の Lisp って違うんだ、と参考になりました。
「正規表現」に関しては、Perl との比較をしていますけど、PHP も Emacs Lisp と同じく「文字列」です。ややこしいですけど、実装を考えると一番素直というか馬鹿正直というか。Perl の方が変態的ではないでしょうか。
あとの項目は、ハマると時間をとられそうなところを説明してくださっているのでいいんじゃないですか。
Re:マニュアルに書いてあることも。 (スコア:2, 参考になる)
あとは,Emacs-Lispが動的スコープを採用していることも書いておいていただけるとうれしいですね(自分でやれといわれそうですが).SchemeもCommon-Lispも静的スコープを採用しているので,これこそ知らない人が多いのではないでしょうか.
ちなみにobarrayというのはobject arrayのことでしょう.昔のLispの実装では,アトム(シンボル)をハッシュ表でなくてリストで管理していたのですが,そのリストをoblist(object listの略)と呼んでいました.
動的スコープなくて実用可能? (スコア:1)
それにしても、「名前空間の分離」なんていう表現が出てくること自体、Lisp の本質を知らないんだなと言うのは間違っていますか。私も Lisp に詳しいというほどではありませんけど、Lisp は名前自体がオブジェクトであって、名前すら変更可能だった覚えがあるのですが、違いましたっけ。そんでもって、名前もといシンボルに対して関数なり値なり好きにバインドできるのが特徴だったはずです。
Scheme も Common Lisp も動的スコープが使えないのですか? サブルーチンはどうするのでしょう。Perl で言うと local() が使えないってことになりそうですけど。スコープという言葉が出てくると名前空間が複数存在するということになりますし…。うーん、私も Lisp がよくわかってないなあ…。
Re:動的スコープなくて実用可能? (スコア:4, 参考になる)
関数としての位置:Common-LispやEmacs-Lispなどでは,(a0 a1 a2 ... ak) という形の式において,a0(関数としての位置)にくるものは式ではなく,関数を表す表現のみです.これにたいして,Scheme(その他,MLやHaskellなど)ではa0にも式がきます.
名前とシンボル:名前の概念と(Lisp系言語におけるデータとしての)シンボルは区別して扱うべきです.例えばSchemeでは変数の値は名前とスコープから決まりますが,Lispの処理系の一部では,名前が表しているシンボルから決まるものもあります.
静的/動的スコープ:スコープが静的/動的であるとは,変数のとる値が,定義されている文脈できまるか,評価されている文脈できまるかを指しています.例えば
(let ((a 1)) (defun foo (x) (+ x a)))
と定義しておいて
(let ((a 2)) (foo 3))
という式を評価した結果は,Common-Lisp(静的スコープ)では4に,Emacs-Lisp(動的スコープ)では5になります.動的スコープはコンパイルするときにいろいろ面倒なことがあります.Common-Lispではspecial宣言で動的スコープを扱うこともできますが,Schemeでは基本的には静的スコープだけです.
Emacs-Lispが動的スコープを採用している理由ですが,動作環境をあらわす大域変数を多用するためだと,Stallman氏が何かのインタビューで答えていたと記憶しています.純粋な大域変数としての利用だけなら静的スコープでもいいのですが,letなどで部分的に動作環境を指定することができるのが便利なのかも知れません.
Re:動的スコープなくて実用可能? (スコア:2, 興味深い)
> 動作環境をあらわす大域変数を多用するためだと,
> Stallman氏が何かのインタビューで答えていたと記憶しています.
History of T [paulgraham.com]
によると、当時はdynamic scopeの方が速いと考えていたようです。
Common LISP の場合は (スコア:1)
Re:動的スコープなくて実用可能? (スコア:1)
「名前空間の分離」となんとなく話がずれているような。
「シンボル」という識別用オブジェクトと、それの表記(printname)が独立している、ということを言ってるんだと思いますが、それ自身はあまり重要なLISPの特色ではないです。(そんなのを駆使するのは、だいたいLISPプログラミングのパズルくらい。)
元ネタで「名前空間の分離」をいっているのは、おなじシンボルに対し、関数としての値と、変数としての値が別々に管理されている、ということで、これが、scheme や C でのシンボル(identifier)と異なる、ということが論点でしょう。
CやJavaも静的スコープですが、それほど問題ないですよね。それと同じですが、、、
動的/静的スコープとは、
で、(foo) の値が何になるか。静的なら 0、動的なら 1。
(もっと深遠な問題について議論しているのなら、失礼。)
Re:動的スコープなくて実用可能? (スコア:0)
最後の部分が肝です。(CommonLisp も含めて)Lisp ではトップレベルの定義はシンボルが値を保持します。つまり「関数なり値なり」はシンボルの属性なのです。で。一つのシンボル内に於いて関数と値は別
obarray の初出 (スコア:1)
The Evolution of Lisp (Guy L. Steel Jr. and Richard P. Gabriel) [dreamsongs.com]によれば、
とのことです。MacLispでのお話。
Re:マニュアルに書いてあることも。 (スコア:2, 参考になる)
タレコミ文に「ほかのLisp処理系と比べてEmacs Lispが異なる点」なんて書いてあったんで、ここにはバッファローカル変数がどうとか、そんな名前空間(?)とスコープの話が書いてあるかと思って読んだら、ちょっと拍子抜けしちゃいました。
ま、確かにEmacs Lispの(symbol-value SYMBOL)と(symbol-function SYMBOL)が独立しているってのも、Schemeなどと比べれば特徴と言えるのかもしれませんが、Emacs Lispならではの混乱させられる変数の話と言って私が真っ先に思い出したのは、make-variable-buffer-localとかmake-local-variableとかで指定される変数の振る舞いについてでした。いわゆるバッファローカル変数という奴ですが、Emacs Lispがエディタ用に作られているが故に導入された、まさにEmacs Lisp特有の機能と言えましょう(本当は、似たような拡張はこの種の処理系にはちょくちょく見られる気もしますが)。 これらバッファローカル変数と、letなどによる束縛と、さらにset-bufferによるバッファ切り替えが絡もうものなら、それはもう混乱させられること間違いなし。
まあ、こんなところまで踏み込む必要のある人は少ないと思いますが、自前のMajor Modeとか作る人は学んでおいて損はない部分なので、将来的に山本氏のドキュメントでも、その辺充実してくるといいですね。
なんていいつつ、実は上に書いたようなバッファローカル変数とlet, set-bufferの振る舞いについても、Emacs Lisp Reference Manualにしっかり書いてあったりします。かなりトリッキーな振る舞いになっちゃうんですが、さてどうなるのか、興味のある人はマニュアル読んでみてください。思わず「うーん、なるほどShallow Binding……」とかなんとか呟いてしまうことでしょう。:-)
Re:マニュアルに書いてあることも。 (スコア:1)
名前空間をわけないのは普通のLISPではなくてSchemeです。
Re:マニュアルに書いてあることも。 (スコア:0)
コンテンツが大量にあって…というならまだしも, /.に投稿するほどの内容では無いような気が…(あ, シャレじゃないですよ).
Re:マニュアルに書いてあることも。 (スコア:1, すばらしい洞察)
かじってない人向けなんじゃないの?
「かじった人に常識」で済むのなら、世の中のあらゆる doc は不要。
> /.に投稿するほどの内容では無いような気が…
ちょっとした内容だと投稿できないというほど、
/. は堅苦しいサイトでは無いような気が…
Re:マニュアルに書いてあることも。 (スコア:0)
>どれもEmacs-Lispをちょっとかじったコトのある人なら常識になってるコトじゃないのかな.
>
>かじってない人向けなんじゃないの?
>「かじった人に常識」で済むのなら、世の中のあらゆる doc は不要。
ええ, 僕もかじっていない人
Re:マニュアルに書いてあることも。 (スコア:0)
仕様として知ってることと、実装がどうなってるかを知るという ことは、ぜんぜん別のことがらですから。
Re:マニュアルに書いてあることも。 (スコア:0)
タレコミ文 (スコア:1)
文書を予想していたんですが、違いましたね。
あくまでもemacslispを解説するために、ところどころ他のlispの話題が
出てくるだけでした。
eljman (スコア:1)
「変数と関数の名前空間」についての説明はこれですかね。
シンボルタイプ [uec.ac.jp]
このようなシンボルってのは実装上の話なんですね。Lisp 全部がそうなのかと私は勘違いしていました。
「ハッシュ」の中の「連想リスト」はこれ?
連想リスト [uec.ac.jp]
でもって効率の悪い連想リストを使うのではなくて、Emacs Lisp がシンボル自体を処理する下位のしくみ [uec.ac.jp]を使って高速なハッシュを実現する方法が山本さんの文章には書かれているようです。Emacs 21 だと不要なので Emacs 20 以下限定で。パフォーマンス稼ぎと下位互換が必要な一部のプログラマ向けですね。
馬事東風とはこのことか (スコア:0, 余計なもの)
普通「...は数あれど」と来たら「これこれなのはこの文書だけである」とか受けると思うぜ。あるいは、「...は数ある中で、これこれこういう理由でこの文章は一読に値する」とかね。
君たち(タレコミ人も編集者も)、一生、文章が上達することはないであろう。戦後日本の貧しい国語教育が招いた悲劇。
戦後日本の貧しい国語教育の実例 (was: 馬事東風とは (スコア:0)
# エサか? エサなのか?
Re:戦後日本の貧しい国語教育の実例 (was: 馬事東風と (スコア:0)
google で 41 件も出てくるんですよね。「予想される検索キーワード: 馬耳東風」って出たら笑っちゃうところだったんだけど、出なかった。
Re:戦後日本の貧しい国語教育の実例 (was: 馬事東風と (スコア:0, オフトピック)
#スラッシュ投票ネタになるかしらんw
Windows2000のMS-IMEでは「ばじとうふう」で「馬耳東風」しか候補がないのにどうして間違えるのか予想がつかない。
ああ、「ばじ」で「馬事」なのか。「とうふう
本当かい♪本当かい♪
Re:戦後日本の貧しい国語教育の実例 (was: 馬事東風と (スコア:0)
変換ミスなわけないじゃん.皮肉にきまってるでしょう.
...釣られた?
Re:戦後日本の貧しい国語教育の実例 (was: 馬事東風と (スコア:1)
人の意見や批評などを、心に留めずに聞き流すこと。(広辞苑第四版)
うーん、文章書くのが下手なくせに誤字脱字には厳しいという皮肉でしょうか?
普通はこう書くでしょうという指摘をしても余計な一言でどうせ聞いてもらえんのだろう?という皮肉でしょうか?
いつまでたってもLispでの記述が上達しない私への皮肉でしょうか?(笑えない)
本当かい♪本当かい♪
Re:馬事東風とはこのことか (スコア:0, オフトピック)
ACでつっかかって来たわりには、 「戦後日本の貧しい国語教育が招いた悲劇。」という天声人語的 落し方がそもそも貧しいよな。馬「耳」東風と文章内容との関係のなさとか。 「練習しなさい」じゃなくて「上達することはない」と決めつけてみたのも空砲だし。
Re:馬事東風とはこのことか (スコア:0)
「天声人語的」、「貧しい」などと貶めることは簡単だけれど、今の場合それも現実と受け止める必要があると思います(ところで朝日新聞お嫌いなんですか?)。日本の場合、大学の水準
Re:馬事東風とはこのことか (スコア:1)
もう話題は完全にずれますが、朝日新聞が嫌いなのではなくて、 天声人語が、より正確に言うと「天声人語の文章を良文の見本」とする 国語教育が嫌いなのでした。
もちろん現状の国語教育が貧しいのは受け止めますが、 タレコミ文が悪文である事がどう「悲劇」なのか、 戦後国語教育の欠陥と果して結びつくのか、 その辺あんまり考えてなさそうなのがいかにも「天声人語」的だなぁと 思った次第です。
Re:馬事東風とはこのことか (スコア:0)
Re:馬事東風とはこのことか (スコア:0)
アメリカの大学もピンからキリまであるんですけど。
平均値は日本の方が遥かに上だと思いますがね。
「隣の芝生は青い」ってことですよ。
Re:馬事東風とはこのことか (スコア:0)
Re:馬事東風とはこのことか (スコア:0)
逆に (スコア:0)
それより (lambda...) って quoteしないでいい (というかしちゃだめ) なことにと惑ったな。CommonLispの (function..) は もっと理解不能でした。ま、compilerつくることを 考えれば理解できたけど。