米カリフォルニア北部地区連邦地裁のYvonne Gonzalez Rogers判事は9日、Epic GamesがAppleを訴えている裁判でEpic側の事前差止請求を一部認め、Appleに対し開発者プログラムでEpic関連アカウントに不利な扱いをしないよう命ずる事前差止命令を出した(
裁判所文書: PDF、
The Vergeの記事、
Mac Rumorsの記事、
VentureBeatの記事)。
この裁判はAppleがApp Storeで不当競争行為をしているとしてEpic側が訴えていたものだ。Epicは8月、Appleのガイドラインを無視してiOS版Fortniteに独自の課金システムを実装し、
FortniteがApp Storeから削除された。Appleはその後「Epic Games」およびEpic関連の開発者アカウントを停止したため、Epic製ゲームはすべてApp Storeから削除されることになった。
Epic側はFortniteを含む同社製ゲームをApp Storeから削除することに対する差し止め、および「Unreal Engine」を含むEpic関連アカウントのAppleの開発者プログラムからの締め出しに対する差止を求めている。判事は8月24日にEpic側の仮差止請求を一部認め、後者に限って仮差止(
PDF)を命じていた。
判事は今回の事前差止請求についても仮差止請求と同様の判断を示している。Appleの開発者プログラムにおける「Epic Games」アカウントの停止やそれに伴うApp Storeからのゲーム削除については、Epic側が戦略的な判断の元にAppleとの契約を破ったことが原因であり、回復不可能な損害は認められないとして事前差止請求を却下した。
一方、「Epic Games」以外のEpic関連アカウント停止については、他社もUnreal Engineを使用していることなどから影響が大きく、回復不可能な損害が認められると判断。判事はEpic関連アカウントが悪意あるコードを挿入する可能性があるという
Appleの主張を却下し、Appleに対しFortniteのガイドライン違反を理由とするEpic関連アカウントへの不利な扱いを禁じている。