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元ストーリーの論文アブストラクトや Science Daily 記事を読むと、サンプルの女性は Nurses' Health Study (NHS) [harvard.edu] から、男性は Health Professionals Follow-up Study (HPFS) [harvard.edu] からそれぞれ抽出したものだそうです。
ググって、日本での中途失明の原因のトップは、過去に糖尿病網膜症だったのが、逆転して緑内障になっていると知りました。他国ごとではないんだろうなぁ。
一般論的に「緑内障のリスクが上がる」のではなく、「落屑緑内障」のリスクが上がる、という調査報告であることを無視したらダメですよ。
緑内障は、「眼圧」(眼球内を満たしている「房水」の圧力)が高すぎることが原因で、視神経が圧迫されて壊死し、その結果として視野が欠損する病気です。
今回のストーリーで挙がっている「落屑緑内障」は、落屑物質(老廃物らしきもの)が原因で房水の出口が目詰まりを起こし、その結果として眼圧が上がる [manmaru-sinbun.com]というものです。おもに老年で見られる病気。調査した8万人のうち360人の落屑緑内障発症者がいて、その360人のカフェイン摂取量を調査してみたら有意な差があったというのが今回のレポート。つまり、落屑緑内障の発症率は0.5%弱。40代以上の人を30年追跡してるので、70歳代の0.5%ってことですね。
一方で、日本の調査報告ですが、緑内障は、40歳代で2%、70歳代で10%が罹っているという調査報告 [ryokunaisho.jp]があります。日本とアメリカの違いはありますが、おおざっぱに、、70歳代以上で見て、落屑緑内障は、緑内障全体の5%ほどしか占めない少数派であるということです。
そんなレアなタイプですので、「失明原因トップは緑内障だから」といって「落屑緑内障」の心配するのは、ちょっと杞憂にすぎるかと。
緑内障で一度死んだ視神経は生き返らせることができません。失った視野は二度と取り戻すことができない、失明への一方通行な不治の病です。緑内障の治療方法としては、視神経に影響が出ないレベルにまで眼圧を下げて、それ以上視野欠損が進行しないようにすることになります。たいていの場合は、適切な治療により発覚時の視野をその後もずっと維持出来ますので、早期に発見できれば怖い病気ではありません。緑内障は自覚症状に乏しいため、「発覚したときにはもう失明直前の末期だった」という取り返しの付かないことになりがちなのが怖い病気なのです。
「○○したら緑内障のリスクが上がる」なんてことを気にするぐらいなら、もし緑内障が発症しても早期に発見できるよう、定期的な検査を受けるようにするほうがよっぽど建設的です。
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クラックを法規制強化で止められると思ってる奴は頭がおかしい -- あるアレゲ人
アメリカの研究なんですね (スコア:2)
元ストーリーの論文アブストラクトや Science Daily 記事を読むと、サンプルの女性は Nurses' Health Study (NHS) [harvard.edu] から、男性は Health Professionals Follow-up Study (HPFS) [harvard.edu] からそれぞれ抽出したものだそうです。
ググって、日本での中途失明の原因のトップは、過去に糖尿病網膜症だったのが、逆転して緑内障になっていると知りました。
他国ごとではないんだろうなぁ。
Re:アメリカの研究なんですね (スコア:5, 参考になる)
一般論的に「緑内障のリスクが上がる」のではなく、「落屑緑内障」のリスクが上がる、という調査報告であることを無視したらダメですよ。
緑内障は、「眼圧」(眼球内を満たしている「房水」の圧力)が高すぎることが原因で、視神経が圧迫されて壊死し、その結果として視野が欠損する病気です。
今回のストーリーで挙がっている「落屑緑内障」は、落屑物質(老廃物らしきもの)が原因で房水の出口が目詰まりを起こし、その結果として眼圧が上がる [manmaru-sinbun.com]というものです。おもに老年で見られる病気。
調査した8万人のうち360人の落屑緑内障発症者がいて、その360人のカフェイン摂取量を調査してみたら有意な差があったというのが今回のレポート。つまり、落屑緑内障の発症率は0.5%弱。
40代以上の人を30年追跡してるので、70歳代の0.5%ってことですね。
一方で、日本の調査報告ですが、緑内障は、40歳代で2%、70歳代で10%が罹っているという調査報告 [ryokunaisho.jp]があります。
日本とアメリカの違いはありますが、おおざっぱに、、70歳代以上で見て、落屑緑内障は、緑内障全体の5%ほどしか占めない少数派であるということです。
そんなレアなタイプですので、「失明原因トップは緑内障だから」といって「落屑緑内障」の心配するのは、ちょっと杞憂にすぎるかと。
緑内障で一度死んだ視神経は生き返らせることができません。失った視野は二度と取り戻すことができない、失明への一方通行な不治の病です。
緑内障の治療方法としては、視神経に影響が出ないレベルにまで眼圧を下げて、それ以上視野欠損が進行しないようにすることになります。
たいていの場合は、適切な治療により発覚時の視野をその後もずっと維持出来ますので、早期に発見できれば怖い病気ではありません。
緑内障は自覚症状に乏しいため、「発覚したときにはもう失明直前の末期だった」という取り返しの付かないことになりがちなのが怖い病気なのです。
「○○したら緑内障のリスクが上がる」なんてことを気にするぐらいなら、もし緑内障が発症しても早期に発見できるよう、定期的な検査を受けるようにするほうがよっぽど建設的です。