「つまり、VisualBasicでデータベースクエリが行えるようになるのだ」:原文では "Are you ready for Visual Basic database queries?"、流れからして、これは冗談めかした言い方
に思えます。VBに移行すると言いたいのではなく、極端な
例としてVBを持ち出しているのではないかと。
「筆者は「技術に詳しくないので」(ビル・ゲイツ氏が用いる最大の侮辱の表現だ)、これらの批判の是非を論じることはできない。」:原文は "I'm "not technical enough" (Bill Gate's ultimate insult) to evaluate the barrage of criticism…"
ここでの「技術に詳しくないので」というのは皮肉ですよね。
真に受けたコメントもあるようですが…翻訳は忠実ですが
皮肉と取りにくくなっているかもしれません。
「平均的なVisual Studioプログラマーが作成したコードは、形式の整ったJavaコードと比べると醜悪に見えるだろうか?」:
原文は "Will the code generated by the average Visual Studio jockey look uglier than well-formed Java?"。
"Visual Studio jockey" と表現からして、著者の想定している
プログラマ層が暗示されていると思うんですが、翻訳では
それが抜けてます。でもどう訳したらいいか私も思い付きません。
"well-formed"は「形式が整った」というよりは設計も含めて
「しっかり書けている」という感じでしょう。
「コードがすっきりしているかどうかなどは、どうでもよくなるはずだ。」:原文は"do we really still care how gosh darned tight it is?"、単に「すっきりしている」だけでなく、
「うぉ、すげえ」って感心するほどぴっちりかっちり
書かれているコードってニュアンスがあるようです。
あと、「どうでも良くなる」というよりは、「そこにこだわる
必要があるかなあ」みたいな感じじゃないかと。
「美しいコードと美しくはないが十分に機能するコードとの間の実用面での差」:原文は"practical differences between beautiful code and so-so code that works. "。
"so-so code that works" ですから、ぐちゃぐちゃで保守も難しく
なぜ動いているかわからないようなコードではなくて、
「すごい!」と称賛されるようなコードではなくても
まあまあだしちゃんと動いている、ということを言っているのでしょう
(so-soは悪いニュアンスを持たせることもありますが、記事の
流れからして、「すごく綺麗な職人芸的なコード」vs
「普通のプログラマが時間を書けずに出せるコード」という
対比であるように思えます)
翻訳の問題 (スコア:3, 参考になる)
総じて、不正確な翻訳ではないのですが、原文のもつユーモア めいたものがそぎ落されているため、著者が大真面目で 「Visual Basicで誰でも手軽にDBアプリが書けるんだぜ」 と言っているように受け取られかねないかな、と。 原文から得た印象では、「MicroSoftはそのへんの技術障壁を 下げるのに努力してて、それには良いこともあるんじゃない?」 という控え目な主張に思えました。
私はどちらかというと著者のいう"purist"陣営なんで 言いたいこともいろいろありますが、それは既に議論されているので置いときます。